人間は、「性格論的自己評価」・「行動論的自己評価」の2つの方法で自己を評価しています。
自分の状況を評価する際、自分の内面について評価することを「性格論的自己評価」、自分の外面について評価することを「行動論的自己評価」と言います。
一般的に人間は自分の内面を自分の本質だと考えるので、自分自身について性格論的自己評価をしがちです。
一方、行動論的自己評価は人が見えるところ、自分が他人からどう見られているかということとつながっています。
いずれも自己評価ですが、視点が大きく違うのですね。
勉強においては、勉強をするときにどのような行動をとったかを評価すること、つまり行動論的自己評価をおすすめします。
例えば数学の場合で考えてみましょう。「三角関数が理解できていなかった」という自己評価だけでは、学習行動の変化にはなかなかつながりません。
「途中で計算ミスをした」「公式を覚えておらず導出もできなかった」などの外面に表れる行動のほうが修正しやすいですよね。こういった行動を修正できると、結果的に内面の問題も解決されていきます。
また、読解科目、特に現代文であっても、ただ単に文章が読めない(つまり読解力がない)という性格論的自己評価をして自分の内面の問題にするのでは、いつまでたっても読めるようになりません。
わからないことに対して自分がどのように行動できたか、つまり行動論的自己評価が出てくれば改善することができます。
今まで線を引いて読んでいなかった、選択肢を切るときにこの部分に着目できていなかったなど、具体的に自分が学習行動として外に出したものを評価して初めて自分の内面が変わる可能性が出てくるのです。
勉強するときには、ぜひ「行動論的自己評価」のほうを重視してみましょう!
ここで学習方略の原則022:性格論的・行動論的自己評価のお話を終わります。次回をお楽しみに!
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