指導方針

指導の目的

 国語・現代文という教科で、入試で合格できるための得点を生徒にとらせること。これが根岸の指導の究極の目的です。

 そのためには何ができるようになればよいのでしょうか。根岸は以下のように考えます。

●与えられた文章を正確に理解できること

●与えられた問題の要求を明確にし、的確に答えること

●それらに付随する必要な知識・考え方を身につけること

 これらの実現のために指導のうえで根岸が大切にしていることについてお話しします。

頭の中に読解の「フレームワーク」を作る

文章を正確に理解するためには「一生懸命集中して読む」「何度も繰り返し読む」という精神論・根性論のような方法では効果が薄いですし効率的でもありません。まずは文章を理解する時に私たちの頭がどのように働いてるのかを知って、それにあったトレーニングをしていく必要があります。

 たとえば読書や新聞を読む場面を想定してみましょう。本や新聞に書かれている文章を理解するとき、まず私たちは「本のタイトル」「章・節のタイトル」「見出し」などを読んで「何の話がされるのか(話題)」を理解してから読み始めます。そして読み進めていくうちに筆者の「論理の展開」を追いかけ、筆者の「主張」を理解します。このようなプロセスで私たちは文章を理解しています。

 そうだとするならば、文章を正確に理解するためには、このそれぞれのプロセスに着目して、それぞれに有効な着眼点を知り、発見していくことが必要なのではないでしょうか。この読解の「着眼点」、つまり目のつけどころを知ることが学習の第一歩になります。

 こういうトレーニングを重ねていくうちに、頭の中に文章の理解に必要な知識群や視点(認知心理学ではこれを「スキーマ」と呼びます)ができあがっていきます。そしてその知識群や視点が文章読解の最中に発動し、文章の理解をより速く、より深くしていくのです。

 この知識群や視点こそが読解の「フレームワーク」です。読者はこのフレームワークを使って文章の内容や構造を整理し、理解します。生徒の頭の中にこのフレームワークを作ること。これが根岸がもっとも大切にしていることです。


解答の根拠とプロセスを明確にする

 国語・現代文の試験では、ただ文章を読むだけでなく、その文章について付されている問題を解くことが求められます。国語・現代文の問題は原則としてその文章の内容について問題が出されます。ということは、文章の内容が正確に理解できていれば問題は解けるはずです。

 しかし、文章がきちんと理解できているからといって問題が必ず解けるというものでもありません。たとえば選択式の問題では、正解がバレバレの選択肢では受験生全員が正解してしまいますから、選抜のための問題としては機能しません。作問者は解答者が「ひっかかる」ように選択肢を作るはずです。ですから、解答者はその「ひっかけ」をかいくぐる必要があるわけです。

 このように、問題を解くことにもいろいろハードルが待ち構えています。それならば、そのハードルについて知り、その飛び越え方を学んでトレーニングしていく必要がありますね。この方法論についても授業でお伝えして、繰り返し練習していきます。

 また、国語・現代文の答えを出すときにもっともまずいのが、「カン」「フィーリング」「なんとなく」で答えることです。これでも正解できるかもしれませんが、それでは当たったり当たらなかったりという非常に精度の低いものになってしまいます。完全な知識問題は除いて、解答には必ず本文中に根拠となる記述が存在します。その根拠を発見し、それに基づいて解答を出すことが求められます。授業ではその解答の根拠を明確にして解説していきますし、生徒にもそれを求めます。

 気をつけなければいけないのは、根拠を発見しただけでは解答が出ない問題もあることです。根拠をもとにして推論をしていかなければいけないタイプの問題です。こういう問題は主に文学的文章で出題されます。こういった問題でも、根拠からの推論のしかたについて知り、トレーニングしていきます。

 まとめると、「解答のしかたを知ること」「解答する際には必ず根拠を明確にすること」「根拠に基づいた推論のしかたを知ること」が問題を解くうえでは必要になるのです。これらを授業の中で伝え、トレーニングしていきます。


読解に必要な知識を身につける

 文章読解、あるいはそれ以外の問題(語句知識の独立問題など)に対応する際には、知識も必要です。わからない言葉がたくさん出てくる文章は理解できませんよね。ですから、学習全体を通して知識を身につけていくことも必要です。

 知識を身につける学習は、言わばスポーツにおける筋力トレーニングやランニングです。読解の「基礎体力」です。スポーツにおいて技術のトレーニングだけでなく基礎体力強化も重要であるのと同じように、国語・現代文の学習においても読解のフレームワーク・解答のしかたという「技術」の練磨だけでなく、知識という「基礎体力」の強化も重要です。日々の漢字・語彙の学習や文法知識の獲得、あるいは文章理解のための背景知識の獲得も怠ってはいけません。これらについても必要な知識の提示や、それを身につけるための学習方法の提示などをおこなっていきます。

 

 ここに挙げた3つの大切にしている事柄を、バランスよく指導していきます。そして最終的に生徒が国語・現代文の実力をつけ、志望校に合格すること。これが根岸にとって何よりうれしいことです。そのために全力を尽くして指導します。