学習方略の原則017:バイアス

バイアスという言葉を知っていますか? 「先入観」や「偏見」のことを指す言葉です。

私たちは世界を客観的に見ることが難しく、どうしても自分のバイアスがかかった偏ったものの見方をしてしまいます。

バイアスをかけて見てしまうことは仕方がないのですが、そのバイアスが自分にとって都合の良いように物事を考えるきっかけとなってしまっています。

学習の場合も同様に、学習の自己評価にバイアスをかけてしまうことが多いものです。

では、学習の自己評価にかかりがちなバイアスとはどんなものがあるのでしょうか?

それには、自己高揚バイアス自己防衛バイアスの2種類があります。

1つ目の自己高揚バイアスとは、成績があがると自分をおだてるような原因の帰属を行うことです。

例えば、この1週間自分が頑張ったから成績が上がったのだ! などですね。

そして、2つ目の自己防衛バイアスとは成績が下がると自分を守るような原因の帰属を行うことです。

例えば、試験中に隣の人の鉛筆の音がうるさくて集中できなかった……などがそれです。

このような自分の都合のいいように世界を見るバイアスを一般的に認知バイアスまた確証バイアスと呼びます。バイアスを通して世界を見てしまうことは、前にも述べましたが仕方のないことです。

しかし、そのバイアスをかけて見てしまっているという自覚が大事なのです。さらに、自分の状況を、客観的にみること(これをメタ認知と言います)ができれば、比較的そのバイアスから解放されやすくなり、飛躍的に勉強ができるようになります。

皆さんも是非、バイアスがかかっているということを自覚し、自己を客観的にみることができるように頑張ってみてくださいね!