学習方略の原則002:学習環境の改善①

学習方略の原則、二つ目の解説です。

自分が学習できないのを他人のせいに(先生も含め)しないこと。そしてそれを自分のせいにもしないこと。
じゃあ誰のせいか?
あなた自身を含む周囲の状況です。
「単独の理由」なんてものはない。
環境を改善せよ。 #学習方略の原則

今回は学習方略の概念を拡張する必要性について見ていきましょう。

学習方略を的確に用いているはずなのに、学習をうまく進められないという経験は誰しもしているのではないでしょうか。

だから学習方略なんて意味がない……

などと短絡的な思考に陥らないでくださいね。

ここで具体的に考えてみましょう。

想像してください。

あなたがうまく学習を進められないときってどんなときでしょう?

たとえば周囲がうるさくて集中できないとき。

あるいはお腹がいっぱいで眠くなってしまったとき。

勉強中にうっかりスマートフォンをてにしてしまい、だらだらと眺めてしまったとき(もしかしたら今まさに学習を中断してこれを見てしまっているかもしれませんね)。

さて、ここで考えてみましょう。

学習をうまく進めない理由として挙げられることって、学習行動そのものとは関係ないものだとおもいませんか?

そうなんです。実は学習をうまく進められない理由のほとんどが、いわゆる「勉強のしかた」のイメージと異なるところにあるのです。

したがって、私たちは学習方略の概念を、単なる学習行動にとどまらずより広い範囲へ拡張しなければならないのです。

これで学習方略の範囲の拡張について理解してもらえたのではないかと思います。

次回のblogでは、学習方略の範囲を環境面の整備へと拡張することについてお話しします。

次回もお楽しみに!

根岸大輔

学習方略の原則001:「学習に必要な態度・知識・技能」③

前回前々回のblogに引き続き上記の学習方略の解説の最終回です。

学習に必要なのは態度・知識・技能の3つ。
態度:問題に対し注意深く取り組み、諦めずに考え続けようとする
知識:学習法に関する知識(つまり #学習方略の原則 を知っていること)
技能:知識を活用・運用して学習に取り組む
#学習方略の原則

学習方略(Learning Strategy)の基礎、今回は3つ目を解説します。

3 技能:知識を活用・運用して学習に取り組む

ここまでのblogで学習に臨む態度、学習方略の知識の重要性を説明してきました。いよいよそれらを活用するフェーズに入ります。

……となんだかカッコいい言い方になっていますが、これ、要するに

勉強しよう!

というだけのことです。

「なーんだ……そんなことが学習方略なの?」

そんなふうに思う人もいるかも知れませんね。

はい。「勉強する」ことが学習方略です。

なぜなら、何かの課題に取り組むうえで、「何もせず時が解決するのを待つ」という方略を選択することもあり得る以上、勉強という「行動」をとることもれっきとした学習方略なのです。

「どのように」学習するか

さて、勉強することが大切な方略だということがわかったところで、次に重要なのが……

「どのように学習するか」

です。いわゆる「勉強のしかた」ですね。

これから先のblogでさまざまな勉強のしかたを紹介しますので、この回では全体的なことをお伝えします。

「テクニック(technique)」と「スキル(skill)」の違いって考えたことがありますか?

よく「勉強のテクニック」「解法のテクニック」という言い方をします。あなたはテクニックを身につければ勉強がうまくいったり問題が解けるようになったりすると考えるのではありませんか?

しかし、実はこれが大きな間違いなのです。

ここで、先に挙げた「テクニック」と「スキル」の違いを確認しましょう。

テクニック(technique) (専門)技術;技巧、テクニック

スキル(skill) 1 手腕、腕前  2 (特殊)技能、技術

研究社新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典より引用

「テクニック」と「スキル」では「(専門)技術」「(特殊)技能」のように言葉が使い分けられています。

いったいこれはどうしてでしょうか?

これは「テクニック」がある個別の場面のみに通用する技術であるのに対し、「スキル」がある特殊な分野全体に関する技能であるということを示しています。

つまり勉強のテクニックはある特定の科目や分野にしか通用しない技術。解法のテクニックはある特定のタイプの問題にしか通用しない技術。

そんなものをいくら積み重ねても賢くならないのはわかりますよね。

つまり、私たちが勉強するうえで重要なのは、

勉強という分野全体に関す技能を身につけていくこと

なのです!

そしてその勉強のスキルを身につけるヒントが #学習方略の原則 にあるわけですよ。

というわけで、これからこのblogで解説する #学習方略の原則 を一つひとつ身につけてください。そうすればあなたの勉強が劇的に変わる!……きっと、ね。

つまり、そういうこと。

根岸大輔

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学習方略の原則001:「学習に必要な態度・知識・技能」②

さて、前回のblogに引き続いて、こちらの学習方略の原則についての説明です。

学習に必要なのは態度・知識・技能の3つ。
態度:問題に対し注意深く取り組み、諦めずに考え続けようとする
知識:学習法に関する知識(つまり #学習方略の原則 を知っていること)
技能:知識を活用・運用して学習に取り組む
#学習方略の原則

学習方略(Learning Strategy)の基礎、今回は2つ目の解説です。

2  知識:学習法に関する知識(つまり #学習方略の原則 を知っていること)

1の「態度」では行動や学習空間の重要性に触れました。学習行動を起こさなければ学習も何もありません。

しかし同時に、学習する際にはどんなことをすればいいのかを知っていなければ、やる気はあっても何もできません。

そこで重要になるのが学習方略に関する知識を持っていること、つまり「#学習方略の原則 を知っていること」なのです。

とはいえ、じゃあ「学習方略」って何なのよ?

って思っている人が多いのではないでしょうか。

でもね、「学習方略」なんてカッコいい字面になってますけど、すごく単純なことなんですよ。

たとえばこんな場面を想像してみてください。

授業中教室で先生が説明をしています。
その時Aさんは先生の話にじっと耳を傾けていました。
またBさんは一生懸命ノートにメモをとっていました。
またCさんは教室の後ろを歩き回りながら先生の話を聞いていました。

皆さんも授業中によく見かける風景ですね(Cさんはあまり見ないかもしれませんが、実はこれ、私がモデルです)。

Aさん、Bさん、Cさんいずれも授業で学習をしています。この3人すべてが学習方略を活用しているのです。

Aさんはいわば「傾聴方略」、Bさんはいわば「筆記方略」、Cさんはいわば「身体活動方略」(身体を動かしている方がアタマの働きが鋭くなるタイプの人もいます。これが私です)。

学習方略というのは、学習する際に選択される行動すべてを指す言葉です。

「音読する」「何度も書く」「意味を理解しようとする」「周囲の人と話し合う」……

これらすべてが「学習方略」です。

そう考えるとたいして難しいことでもないでしょう?

なんですが……

どういう行動をすればより学習が促進されるのか。

つまり、目の前の課題に対してどんな学習方略を適用することが適切か

ここにポイントがあるわけです。

だから、#学習方略の原則 をたくさん知っておくと、より効果的な学習が可能になるのです。

できるだけ多くの受験生に効果的な学習をしてもらいたいから、Twitterを通して#学習方略の原則 を発信しています。

こちらのblogでもどんどん紹介していきますのでお楽しみに!

それではまた次の記事でお会いしましょう!

根岸大輔

学習方略の原則001「学習に必要な態度・知識・技能」①

本日よりTwitterのハッシュタグ「学習方略の原則」について、詳しく解説します。

まずは一つ目。

学習に必要なのは態度・知識・技能の3つ。
態度:問題に対し注意深く取り組み、諦めずに考え続けようとする
知識:学習法に関する知識(つまり #学習方略の原則 を知っていること)
技能:知識を活用・運用して学習に取り組む
#学習方略の原則

学習方略(learning strategy)の一番の基礎の基礎はこの3点です。では一つひとつ解説します。

1 態度:問題に対し注意深く取り組み、諦めずに考え続けようとする

学習方略で大切なのは「態度」を含めた「行動」です。
勉強というと頭を使うものだと普通は思われますが、頭を十分に使うためには学習態度が重要になります。

態度といってもそんな難しいことではなく「注意深く」「諦めない」というよく言われる事柄です。

「もっと慎重に取り組め」
「ケアレスミスが多いぞ」
「よく考えろ!」

このような言葉をかけられた人も多いのではないでしょうか。

私はこういう声かけそのものには否定的ですが、だからと言って学習者が注意散漫、すぐ諦めることを良しとしているわけではありません。

ただ、どうすれば「注意深く」なるのか「あきらめない」気持ちになれるのかを考えながら声をかけます。

経験上厳しい言葉をかけても改善はされません。

学習方略の基礎を作るために重要なのは「失敗を許容してくれる空間」「安心・安全な場所」です。

学習者の間違いを論って注意するより、何度でもチャレンジすればいいという安心感を学習空間に作り出す。そういう場所でこそ学習者の「注意深さ」「諦めない気持ち」が育っていくと思うのです。

新高3、新中3、新小6はいよいよ受験学年。彼らにとって安心・安全な学習環境が与えられることを心より願っています。

続きはまた後日。

根岸大輔