学習方略の原則016:質問の仕方

こんにちは。大学受験現代文・小論文・AO推薦入試対策指導、根岸です。

学習が上手くいかないときはぜひ指導者に相談しましょう。

指導者にする相談は大きくわけると2つあります。

1つは学習内容に対する質問です。具体的に授業のこの問題が分からない……など。この質問には指導者も答えやすいです。

2つ目は、学習方法に関する相談です。

先生たちもプロなのでこういうときはこのように答えればよいと分かっているのですが、

実はこの相談、非常にアドバイスがしにくいケースが多いのです。

それはなぜか?

それは、相談に来た生徒の状態がよく分からないからです。

例えばこんな相談がよくあります。

「先生、相談があるんです! 私、文章が読めないんです!」

これだけでは、何をもって文章を読めないと感じているのか? 読むのが遅くて読み終わらないのか? 内容がつかめないのか、もしかしたら問題が解けないのではないか……

あまりにも漠然としすぎて、よく分からないのですよ……。

では、学習方法についてどのように相談すればよいのでしょうか?

これ、実はとても簡単です。

具体的な教材や参考書を持っていけばいいのです!

例えば、この文章は読むのに時間がかかる、読むのに苦労したという具体的な問題を持って質問しにいけばよいのです。

先生たちは問題を見れば、その生徒の状況をつかみやすくなります。そしておそらくこうではないかという予想を立てることができます。こうすることでよりよいアドバイスを提供できるのです。

学習方法についての質問をするときには、答えようがない漠然とした質問をそのまま先生にぶつけるのではなく、具体的な問題を持っていきましょう。

ここで、学習方略の原則016:質問の仕方についてのお話を終わります。次回をお楽しみに!

学習方略の原則015:スキーマを強くするための学習方法

こんにちは。大学受験現代文・小論文・AO推薦入試対策指導、根岸です。

今回は前回の学習方法の原則014の続きです。スキーマを強くするための方法についてお話します。

どのようにすれば勉強後にスキーマが増強されるのでしょうか?

それは、できなかった問題ができるようになったときに

「ふりかえり」を実施すればよいのです!

学習は自分の変化をどれだけ実感できるかが重要です。

実感できたときに、何を理解できていなかったのか?・何が原因でできるようになったのかを考えるふりかえりを実施することが大切になります。

これは以前のblogでもお話ししましたね。

具体的に「ふりかえり」のやり方を紹介します。ふりかえりには三つの段階があります。

① 何をできていなかったのか、何ができるようになったかを明確にする

まずは自分の変化を把握しましょう。以前の自分と今の自分を比べます。

② 何が原因でできるようになったのかを考える。

原因は一つではなく複合的なものではありますが、変化の原因を自分の学習の手応えや実感のなかで明確にしましょう。

例えば、読解科目において

① 大きな論理の展開がスムーズにつかめるようになった

という場合に、

② 今までは線を引いたり書き込みをしたりせずに読んでいたけれど、線を引いたら・書き込みしたら理解できるようになった

など、何かしらの自分の変化の原因を考えることが大切です。

③ 次回への教訓を引き出す

②で変化の原因がわかれば、次に同じような局面に出会ったときに同じことをすればいいとわかります。その教訓を記録しておきましょう。メモでもいいですし、学習アプリでもかまいません。

ぜひ、皆さんもやったらやりっぱなし、できただけで満足することなく、「ふりかえり」を実践してみましょう。

ここで今回の学習方略の原則015:スキーマを強くするための方法についてのお話は終わります。 次回をお楽しみに!

学習方略の原則014:スキーマをより広く、強く組み立てるには

こんにちは。大学受験現代文・小論文・AO推薦入試対策指導、根岸です。

前回の学習方略の原則013では、スキーマについて紹介しました。今回は、スキーマをより広く、強く組み立てていくには、どのようにすればよいかということをお話しします!

まとまった知識を広げ、強くしていくには、

知識の増強、技能の活用(読解科目・数学・理科が中心)が必要です。

また、関連情報をまとめて覚え、複数情報をつなげる意図を持って学習に取り組むことが必要になります!

知識は単独では存在するものではなく、それ以外の知識と密接に関係しています。

例えば社会科で年号を覚えるとすると、その年号の数字だけを覚えても仕方がありませんよね。その年に起きた出来事と関連付けて覚えなければならないのです。こんな当たり前のことですが、じつはこれがとても重要なのです。年号の関連付けを例にお話ししましょう。

たとえば年号と年号の関係を考えてみてください。この事件の後にあのできごとがあった、この年号の何年後にあのできごとがあった……というように、年号を基軸にその他のできごとの関係をつかむことができます。

のように年号といういかにも丸暗記のようなことでも、さまざまなことがらのつながり、関連性を覚えることができるのです!

また、覚えるときには一つの事柄にできるだけ多くの情報を関連付けて取り入れることができるかが重要です

学習の中でできる限り意図的に複数の情報を関連付けることが大切なのです!

例えば、授業ノートの取り方の話で考えてみましょう。

あなたは「人間コピー機」になっていませんか? 

ただ単に板書を写すのはやめて、板書を写しながら「ここの部分は先生が授業で話していたあの部分と関連している」「前の授業のあの事項とつながっているな」など、

まとまりを考えるだけでも学習効果が全く違ってきます!

皆さんも学習に役立つスキーマの増強を意識して勉強に取り組んでみましょう。

ここで今回のスキーマを、広く強く組み立てるには? のお話を終わります。次回をお楽しみに!

学習方略の原則013:スキーマ

こんにちは。大学受験現代文・小論文・AO推薦入試対策指導、根岸です。

みなさん、スキーマという言葉をご存知ですか?

スキーマとは複雑で一般的な概念に関する知識構造のことです

これだけでは、よく分からないと思うので分かりやすく説明します。

私たちが何かを理解したり、何かをできるようになるのはなぜか?

例えば、社会科の学習で知識を覚える、何かを理解するとはどういうことかを考えてみてください。

世界史で冷戦期の世界構造について学ぼうとしたときに、ゴルバチョフ、雪解けなどの1つの用語を覚えても意味がないですよね。どのようにすれば理解したと言えるのでしょうか?

1つの事柄を理解するには、たくさんのことを覚えなければなりません。その暗記したことがいろんな形でつながり、関係性をひと通り説明ができるようになって初めて理解したと言えます。

また、知識がある程度のまとまりになり、あるテーマについてある一定の知識群(スキーマ)がある場合、それらを通し、問題を解いたり、答えを出せるという状態が作れるようになるのです。

当然、スキーマ化できていないただの暗記レベルでは、答えをすぐに出すことはできません。

そして、スキーマに合致した情報を素早く処理し、合致した情報の記憶を推進させることもできます。

では、どう勉強を進めればよいのか?

実はなんと、これがスキーマという言葉のイメージからは程遠いところにあるのです。

スキーマがない状態(ある分野の知識がない状態)から、

理屈抜きで代表的なものを覚え暗記すればよいのです。

そんなバカな……と思われるかもしれませんね。しかしスキーマの基点となる知識がなければ、知識群ができるわけがありません。そこでまずは理屈抜きの暗記なのです。

そうすれば、スキーマの基礎ができ、そのできた基礎の枠組みの中に知識が入りやすくなります。

最初に暗記するのは大変かもしれませんが、ある程度覚えられれば、知識が入りやすくなっていきます。

ぜひ、新しい分野やジャンルの勉強するときには最低限の基本をできるだけ早く覚えスキーマを作ることを心掛けましょう!!

今回の学習方略の原則013:スキーマのお話を終わります。次回をお楽しみに!

学習方略の原則011:学習が上手くいかなくなったときの「内的要因」・「外的要因」②

こんにちは。大学入試現代文・小論文AO推薦対策指導、根岸です。

今回は、前回の「学習が上手くいかなくなった時の『内的要因』」のお話の続きです。次は「外的要因」についてお話ししします。

「外的要因」とは周囲の環境や学友との関係のことを言います。

周囲の環境とは、単に机や椅子の設備など勉強できる環境が整っているのかという問題でもありますが、自分の周りにはどんな人がいるのか? 一緒にいる友達がどんな人なのか? というような周囲にいる人々との関係の問題でもあります。

例えば、「勉強だりぃ」と口にする友達と、勉強に前向きで努力を惜しまない友達とではどちらと一緒にいたほうが自分にとっていいですか? それは後者であることは明らかでしょう。一緒にいる友達からの影響は非常に大きなものです。

また、質問ができる環境がきちんと整っているのか(先生やチューターさんに質問しやすいかどうか)ということも重要です。

講師室に入りづらくて分からない問題をそのままにしてしまう傾向のある生徒の場合は、自分から積極的に質問しに行く勇気を持ちましょう。私たちはいつでもウェルカムなのですよ。生徒さんからの質問を待っています🖤

特に、予備校にいる時間が長い高卒生は「外的要因」の方を重視すべきです。

このような「外的要因」は自分で努力すれば改善することが可能です。勇気をもって変えていきましょう。

勉強が上手くいかなくなったときは、「内的要因」だけでなく「外的要因」の改善も試みてくださいね。

今回の勉強が上手くいかなくなったときの「外的要因」のお話はここで終わります。次回をお楽しみに!

学習方略の原則011:学習が上手くいかない時の「内的要因」・「外的要因」について①

こんにちは。大学受験現代文・小論文・AO推薦入試対策指導、根岸です。

日々の学習がうまく進まないとお嘆きの受験生に、その原因分析の視点を教えてあげましょう!

学習が上手くいかない時には、「内的要因」と「外的要因」を考えることが重要です!

まず、「内的要因」についてお話します。「内的要因」とは、自身の行動や意欲の面のことです。

誰もが勉強のやる気がない日などはあると思います。学習が上手くいかない時には勉強に対する自身の学習行動を見直すことが非常に大切になります。

学習が上手くいってないときは自身の学習行動が上手くいっていないことが多いのです。

例えば、勉強をするときの姿勢、座り方などの自分の体のあり方などです。

椅子を机に近づけ、深く腰掛けるだけで背筋が自然に伸びます。それだけでもかなり勉強の効率が変わってきます!

また勉強のやり方の中で、自分では良いと思っているけれども、学習効果がないものがあります。

典型的な3つの例があります。1つ目はラインマーカーで重要な部分に線を引くことです。

あなたはラインマーカーを引いただけで覚えられますか? そんなの無理ですよね。それは時間の無駄。ラインマーカーを引いている時間があったら書いて覚えたほうがましです。

2つ目はまとめノート作りです。

授業で扱うテキストやプリントを見たほうがよい(プロがまとめたのだから高品質に決まっています!)し、時間ばかりかかってしまいます。本当に時間がもったいないです。

3つ目は、周りがやっているからといって流されて自分のレベルに合ってない参考書に取り組むことです(たとえば英語の場合、基礎学習者が文法4択の参考書を解くなど)。これはこれまでも散々お話ししてきた通りです。

また、ここに挙げたような自分の勉強方法に対するアドバイスをもらったときに自分の勉強方法に固執せず、それを変えることができるかどうかも非常に重要になります!

ぜひ、学習が上手くいっていないときには、「内的要因」を意識して考えてみましょう。

「内的要因」のお話はここまでです。次回は「外的要因」についてお話しします。お楽しみに!

学習方略の原則010:学習評価基準

こんにちは。大学受験現代文・小論文・AO推薦入試対策指導、根岸です。

今回は学習評価の基準についてお話ししますね。

自分の学習を評価するには

  1. 一致性
  2. 弁別性
  3. 一貫性

の3つの基準があります。

最初に一致性のお話をします!

一致性とは、周囲の人々(予備校の自習室などにいる)と同じ量もしくはそれ以上の量、時間勉強に取り組めているのかということです。

もちろん、勉強はたくさんの量、時間取り組んだ方がいいに越したことはありません。

しかし、自分で勉強をしてても自分がどれくらい頑張っているのかどうか判断するのは難しいですよね!

そんなときは、同じ自習室で周囲にいる何人かの人がどれくらいの時間勉強しているのかを意識してチェックし、自分と比較すればよいのです。当然周囲にいる人たちと同じかそれ以上の勉強をしていなければ負けます…

ライバルに勝ちたいならその人よりもたくさん勉強するべきなのです。

シンプルですが、真理です。

続いて弁別性のお話です!

弁別性とは学習が自分の特定の部分(弱点補強や基礎固めなど)に向けられているかどうかということです。

勉強しているときに、自分が今何を学んでいるのかということは誰でも分かっていると思います。

しかし、その勉強が自分にとってどういう意味なのか、どういう点で自分とつながっているのかということを考えて勉強に取り組んでいますか?それを明確にすることが非常に大事になのです!

例えば、英語で不定詞を学習するときに、ここの項目は自分が苦手な範囲だから基礎からやらなきゃいけない勉強なのだ、世界史で産業革命を学習するときにここは少し知っているからより細かいところまで学習することを意識するなどなど……

これを考えることは前回にも述べた通り学習の効果の実感にもつながります。

よって、教科の学習項目の確認だけでなくその学習が自分とどういう点で繋がっているのかということを明確にして学習に励みましょう。

最後に一貫性のお話です。

一貫性とはいつでも同じように学習が進められているかということです。

誰でも、その日の気分や体調によって勉強のやる気がある日、ない日はあると思います。

どうしても無理なときは諦めて、家に帰って寝る、気分転換に外に散歩に行く、カフェに行ってお茶を飲むなどもたまには大切ですが…

しかし、いつもと同じように学習を進めるということは非常に重要です!

また、学習においてはスタートが一番大切になり勉強をスタートし軌道に乗れるかどうかが肝心なのです。

そのために例えば、勉強の最初に英単語・選択科目の一問一答など(軽く取り組める)で準備運動をしてからスタートするなど…

このような勉強を初めにすると集中できるというものを見つけておくことをおすすめします!

ぜひ皆さんもせっかく勉強をするのであればダラダラやるのではなく集中して効果的な勉強ができるよう今回のお話をもとに工夫をしてみましょう。

学習方略の原則010:学習評価基準についてのお話は終わりです、次回をお楽しみに!

学習方略の原則009:学習前後における実力の変化

こんにちは。大学入試現代文・小論文・AO推薦入試対策を指導します、根岸です。

皆さんは、1日の学習を終え、

今日は力がついたなぁ!

と実感することはありますか?

多くの人は1日でこのような実感を得ることは難しいのではないでしょうか。

しかし、力がついたなぁという実感が多い方が嬉しいし、やる気アップに繋がるはずです。

では、どう勉強に取り組めばその実感を多く得ることができるのでしょうか?

それは、学習前の自分の状態を把握し覚えておけばよいのです!

例えば、英文法の参考書に取り組む場合、勉強前は関係代名詞の知識が曖昧だったけれど、参考書で勉強したら理解できるようになった! というような感じです。

このように何ができるようになったかの小さな変化の積み重ねを振り返ることが非常に重要になります!!

これを“学習の振り返り”と言います。

このような変化がはっきり分かると気持ちがいいはずです。

1日の勉強が終わったタイミングで毎日変化を確認し、メモやアプリ(スタディプラスなど)に何らかの形で記録を残して管理していけば、変化を実感する機会が増え、レベルアップに繋がるでしょう。

ぜひ、皆さんも学習前後における実力の変化を意識して勉強してみてください!

学習方略の原則009:学習前後における実力の変化のお話を終わります。次回をお楽しみに!

学習方略の原則008:偏差値の変化について

こんにちは。根岸です。

今回は、偏差値の変化についてお話します。

一般的に極端によい成績をとった次は、平均の方向へ戻る傾向が、また極端に悪い成績をとった次は平均の方向へ戻る傾向があります。

なぜなら、たまたまできた問題が多く極端によい偏差値をとった次は、そんなラッキーが続くはずがないので下がりますし、うっかりミスが多発し極端に悪い成績をとった場合には次はそれほどミスをしないはずだからです。

原則007の偏差値の話と被る部分はありますが、要するに偏差値の上がり下がりを気にする必要はあまりないということです。

しかしテストを受ける機会はたくさん増やすべきです。成績の波が多少あったとしても、その平均ラインが上昇していれば成績が上がったといえるでしょう。

受験生は、一度の模試の偏差値に一喜一憂することなく、テストをたくさん受けて、その結果をもとに自分の実力を知りましょう。

今回の学習方略の原則008:偏差値の変化ついてのお話は終わります。次回をお楽しみに!

学習方略の原則007:偏差値

こんにちは。根岸です。

今回は偏差値とはどういうものなのか?についてお話します。

“偏差値”とはいったいどういうものなのでしょうか?

多くの受験生は自分の実力・学力を示す客観的指標であると考えています。

しかし、それは間違っています。

偏差値とは、偏差の度合いを示す値。特に「相対偏差値」の略で平均値と等しければ50、標準偏差の値だけ大きければ60というように一定の法則で当の値を変換したものなのです。

もう少しわかりやすく説明しましょう。

受験勉強における偏差値とは、ある模擬試験におけるその母集団の中での自分の位置を示すもので、ある意味母集団の中での順位と同じです。例えば、偏差値50の場合だいたいその母集団の中での自分の位置が真ん中ということです。

模擬試験の偏差値だけでは自分の実力を知ることはできません。たまたま運が良くて偏差値70、逆にたまたまコケてしまって偏差値50。これでは自分の実力がどのくらいなのか判断できないですよね。

「運も実力のうち」とよく言われますが、そんなことはありません。運が実力のうちなのは本番だけです(笑)

では、なぜ模擬試験では偏差値を出すのでしょうか?

それは合格判定のためです

合格判定では全体のなかで受験生がどのあたりの位置にいるかが目安となります。それを表すのに偏差値が便利なのです。

もちろん偏差値は学校の価値を示すものではなく、学校の入学難度を示す値でしかないのです。

模擬試験は偏差値を重視するのではなく、「まぐれでできた問題をどうしたらできるようになるのか?」「たまたまできなかった問題をできるようにするにはどうしたらいいのか?」というようなことを考える学習ツールとして活用することが大切なのです!

とはいうものの、模擬試験の結果を用いて自分の実力を確認できる方法はあります。

テストを受け、○×をつけたあとに、間違えてしまったけれど本来ならできたはずの問題を○、まぐれでできてしまった問題を×にして、得点を調整すればよいのです。

こうすればより自分の実情にあった成績がでると言えるでしょう。

受験生は偏差値に一喜一憂することなく模擬試験を有効に活用することを心掛けましょう!!

今回の学習方略の原則007:偏差値についてのお話は終わりです。次回をお楽しみに!!